違うと思ったところは、その場で変えてください。
今回から、お金の集め方の話に入ります。
ここが、この講座のいちばん大事なところです。
タイトルは「協賛は、頼むものではない」。
お金を出してもらうんじゃなくて、
一緒に作る人になってもらう。その考え方を、お話しします。
この回が終わると、
紙に書き出せるようになります。自分が相手に返せるものは何か。
それを、思いつくかぎり書き出す。最後に宿題を出しますので、
聞きながら、頭の片隅に置いておいてください。
まず、私の話からします。
フットサルチームを5年続けられたのは、何があったからか。
これはもう、私のやりたいっていう強い思いが1番ですね。
日本リーグに出るにあたって、お金がないんですよね。
まず、加盟に年間いくら、という形で
協会にもお金を払わなきゃいけない。
フットサル連盟にも払わなきゃいけない。そのお金プラス、チーム全体で移動をして、
全国各地の試合へ行くということで——いちばん遠いところは北海道だったんですが、
北海道まで移動する全員分。やっぱり前泊が必須なんです。
当日に行くとなると、遅れたりして
試合が中止になってしまうことを考えると、
どうしても前泊が必要になる。北海道まで行く費用プラス、宿泊費。
しかも、試合が終わって当日帰ってこれるかというと、
飛行機の都合もあって帰ってこれないので、
後泊の費用も結構かかりまして。年間で、個人の金額で割ったとして、
自分が負担したとしてというところで計算しても、
なかなか一般の仕事をしながら、みんな選手してるので、
その選手たちがお金をかけてできることではなかったんですね。県リーグ、東海リーグまでは、
みんな交通費も自腹で払って移動してたんですけど、
それがチームでやらなきゃいけないというところで、
それがチームの責任にもなる。だから、必死に、とにかく集めたっていうのが
一番だと思います。
「寄付してください」と「協賛してください」で、
相手の反応はどう違うか。本当に、寄付っていうところよりも、協賛ということで——
応援、協力、賛同っていう意味なので、
やっぱり応援してくれるっていうところが強くはなるかな。「困ってるのでちょっとお金を出してください」
——ではなくて、この地域に女子のフットサルチームがあるということは、
こんな良いことがあるんじゃないですか。だからこそ、あなたの会社もこれに協力して、
賛同して、応援してほしいんです。そういうところで、ご提案をさせていただいていた記憶があります。
同じ金額をいただいても、
言葉が変わると、あとの関係が変わります。「寄付」だと、出したらそこで終わりです。
「協賛」だと、応援してくれている人になる。
その先に、関係が続くかどうかが変わってきます。
お金を出す側の立場で、
相手が本当に欲しがっているものは何か。これはもう、本当に人それぞれで、
人によって全然違うと思うんですね。会社の社長さんによっても変わりますし。
実際、BtoCとかでカスタマーになりうる方との出会いを
求めてる方ももちろんいらっしゃいますし、
働く人を求めてらっしゃる方もいらっしゃいます。逆に言ったら、別にそういう求めるものは特になくて、
地域が喜ぶんだったらいいよとか、
それによってたくさんの人が喜んでくれるんだったら、
それが一番僕は嬉しいんだとおっしゃる方もいらっしゃるので。本当に、それぞれです。
結局、それを聞き出せるヒアリング能力って、
めちゃくちゃ大事なんだろうなと思います。私の場合は、どちらかというと
ヒアリング能力よりもプレゼン能力のほうが
高いかなとは思うんですが、
そういったところも気をつけてヒアリングはするようにしてます。何が引っかかりますかとか、
何が一番問題になる部分ですかとか。そういうことで、懸念点なんかも聞き出したりすると、
いろんな思考が見えてくるというか、
何を考えているのかなっていうのが伝わってくるので、
そこは大事にしてます。
協賛してくれた会社に、実際に何を返したか。
思いつくかぎり、全部お話しします。お祭りに毎年出られている企業さんがいらっしゃって、
その企業さんには、
「じゃあ、もう今回は社員さんたちは楽しんでください。
私たちが全部やりますから」ということで、
人を出して、お祭りの販売業務を一緒にやらせていただいたり。あとは、社員さんの運動不足解消にっていう感じで——
フットサルをするって言っても、なかなかハードルが高いので、
ちょっとした運動でみたいな感じで選手が伺って、
社員さんと混ざって運動する一日をしたり。あとは、一宮の地域で
フットサルチームを絡めたお祭りをするときに、
企業さんのものを買ったり、お弁当を注文したり。あとは、懇親会とか忘年会とか。
そういうので行くときに、協賛いただいた会社に行ったり。なるべくお返しできることはないかなというところで
やっていったところはあります。
それから、最後のほうはですね。
イオンのイベントとかを——
通常、イオンのイベントって、
イベント広場を借りるのにお金がかかるのが普通じゃないですか。その通常のところを、
「自分たちのチームのPRをさせてください」ということで行くと、
無料で立たせていただける。
これは、多分どこのチームの方も経験してると思うんですけど。私の場合は、ちょっとアドバイスをいただいた方がいらっしゃって——
イオンで自主開催しているイベントだったり、
イオンが外注をして他のイベント業者に頼んでいるイベント業務。
それを、私たちのチームでやらせていただきますということで、イベント業者の役割を担うような感じで、
選手たちがやりますっていうのを売りにして、それで対価という形でお金をいただいて、
それがクラブの運営資金になっていた。なるべく、この協賛っていうところから脱していくところを、
自走していけるようなチームづくりというところは、
すごい意識していました。
「返せるものなんて何もない」と思っている人に、何と言うか。
これは、さっきの質問と似てるんですけど——
返せるものって、何かすごいものでもなんでもなくて、
相手の求めてるものが、一番返せるものとして大事なことなんですね。なので、相手の求めてるものが何かをしっかり確認して、
それを自分が与えられるかどうか、自分が返せるかどうか。そう考えたときに、返せないと思ったら、
返せる仲間を探せばいいんだっていうのは、すごい思いますね。「私の応援してくれてる誰々さんが、
あなたのことをこういうふうにお返しすることができます」——それも、お返しのひとつだと思ってるので。
人をつなぐっていうところも、返せるものだと思うので、
自分がやる必要はないっていうふうに思ったらいいんじゃないかな
と思います。
いちばん喜ばれたお返しは何だったか。
一番喜ばれたお返し……なんだろう。一番難しい。
でもやっぱり、人手不足なんだっておっしゃってるところに
人を出したときは、すごく喜んでもらえるし。物が売りたいとおっしゃってる方に対したら、
物が売れることが一番喜んでもらえることになるので、お返しが何が一番喜ばれるか。
これです、っていう答えはないと思います。でも、絶対にできて、誰にでもできて、
それなりの満足度を持ってもらえるっていうものがあるんですけど——これは、直筆のお手紙です。
これは本当に、皆さんが声を揃えて
「わざわざありがとうね」っていうふうに
言ってくださるので。これはもう、フットサルのときも、保険屋さんのときも、
それこそ着物のコンテストのときもそうですけど、直筆のお手紙を書くっていうのは、
一番思いが伝わると思ってます。
感謝の気持ちも、もちろん伝わります。
協賛を続けてもらうために、開催後にしていることはあるか。
これはもう、イベントもフットサルもそうなんですけど、
終了後に「終わりました」というご連絡をすること。それこそ、直筆のお手紙を添えてもそうですし。
試合のときは、行った先のお土産を買って帰ってきて——
「試合に行ってきました。
うちのチームは弱かったので負けましたけど」っていうところでお話はするんですけど、
お土産話としてお伝えしに行く。5分でも顔を出すっていうところは、意識していました。
今日のまとめです。6つあります。
ひとつ。協賛は「応援・協力・賛同」。 寄付とは違う。
ふたつ。相手が欲しいものは、人によってまったく違う。
みっつ。だから必要なのは、話す力ではなく聞く力。
「何が引っかかりますか」よっつ。返せるものは、必ずある。
自分が返せないなら、返せる仲間を探せばいい。いつつ。誰にでもできて、確実に喜ばれるのは、直筆のお手紙。
むっつ。終わったあと、5分でも顔を出す。
最後に、宿題です。
紙を1枚、用意してください。
そして、自分が相手に返せるものを、
思いつくかぎり書き出してください。大きなことでなくて構いません。
人を出せる。物が買える。紹介ができる。
手紙が書ける。自分ひとりで返せないものは、
「誰に頼めば返せるか」も書いてください。これが、次の回からの武器になります。
次の回は「電話の前に、手紙を出す」。
つくったリストに、どう近づいていくかの話をします。
尺 枚1〜6で3分、枚7〜11で3分30秒、枚12〜15で3分。合計10分前後。
この回の山は、枚12です。
前回の収録でも、ここで一度考えてから
「これは、直筆のお手紙です」と言い切っていました。
同じように、少し間を置いてから言ってください。
前回との違い
読むときのお願い
確認したいところ