違うと思ったところは、その場で変えてください。
今回は、提案書を出してから、決まるまでの話をします。
提案書は何枚か。金額はどう切り出すか。
そして、いちばん大事なのが、
断られたあとに何を残して帰るかです。それから、この回でひとつ、言葉が変わります。
「協賛」ではなく「共創」と言うようにします。
理由も、途中でお話しします。
章:1. 提案書は、金額から始めない
提案書は何枚ですか、とよく聞かれます。
枚数より先に、決まっていないといけないものがあります。
もちろんもう、日程と場所は決まった状態のはずです。
そこが決まっているから、提案ができるんですね。
何月何日に、どこどこでやります。
それが言えない状態で行っても、相手は判断できません。
章:2. 順番には、意味がある
中身の順番です。
ひとつめ。 日時・場所・イベント名と、
「こんなことが伝えたい」という思い。にじいろの夢さがしなら、
「君の夢は何?」「子どもたちは夢を語れますか?」
これをテーマにしています、と書いて、そこについて思いを伝えます。ふたつめ。 私たちの紹介です。
主催している自分のこと。団体のこと。
そして、一緒に動いている仲間のことも見せます。どんな経歴があって、どんなことをしてきて、
だから今こんなイベントをしてるんですよ、というところまで。みっつめ。 このイベントをきっかけに、
どうなっている未来を目指すか。 ビジョンです。ここが山場です。
このビジョンが合うとぴったり来ると、
「じゃあ、それだったら応援したいね」と思っていただける。
そこはしっかり伝えてください。そのあとに、日時と場所をあらためて。内容。
そして共創しませんか、という提案。
金額は、いちばん最後です。
章:3. 実物は、8枚でした
枚数の話に戻ります。
2023年に、実際に持っていった提案書が残っています。
数えると、8枚でした。1枚目と2枚目が、はじめにと、わたしたちの思い。
3枚目が、私たちの目指す未来。ビジョンです。
4枚目が、私たちの仲間。2人のプロフィール。
5枚目と6枚目が、イベントの詳細と内容。
7枚目が、ご協賛のお願い。金額のメニューです。
8枚目が、企業協賛メリット。8枚。これが目安になります。
多すぎず、相手が座ったまま最後まで見られる量です。
章:3. 実物は、8枚でした
ここ、実物を見ないと気づけないところなんですけど。
金額表で終わっていないんです。
そのあとに、もう1枚あります。
SDGsの取り組みとして活用できます。
チラシやHPに企業名が載ります。
地域の子どもたちの応援ができます。
参加者にPRの機会があります。金額を見せたあとに、もう一度「あなたが受け取るもの」を見せる。
金額で終わると、相手の頭に最後に残るのは、
出ていく金額なんですよね。もう1枚めくって、最後に残るものを差し替えています。
章:4. なぜ「共創」に変えるのか
ここで、言葉の話をします。
第1回・第2回では「協賛」と書いてきました。
この回から、相手に提案するときの言葉を「共創」に変えます。理由は、相手の立ち位置です。
「寄付」と言うと、相手は施しをする側になります。
「協賛」だと、お金を出す側。
「共創」だと、一緒に作る側です。「協賛」は「寄付」よりずっといい言葉です。
それでも、お金を出す人と、受け取る人という線が残るんですね。その線がある限り、相手は当日まで関わりません。
名前が載って、終わりです。共創と言った瞬間に、その線が消えます。
一緒に作る人には、準備期間がありますから。——ただ、制度としての「協賛」がなくなるわけではありません。
申請書類にも、会計にも「協賛金」という言葉は残ります。迷ったら「相手の前で言うかどうか」で決めてください。
相手の前では、共創です。
章:6. 金額は、階段にする
金額は、イベントが決まった時点で設定しておきます。
その場で考えるものではありません。いま、35,000円が最低がいいかな、と考えています。
そこから上に、いくつか段があって、
いちばん上がメインスポンサーです。35,000円なら、出店の協力という形。
出店していただいて、一緒に作りましょう、と。出店がなければ、応援という形でお金だけいただく。
その形でも大丈夫ですよ、と付け加えます。ただ、お金だけの会社にも返すものがあります。
準備期間があるので、その間に、関わる皆さんに
共創企業として名前を連ねている方のご紹介はしていきます。メインになる場合は、準備段階から一緒に入っていただく。
そこに共創のメリットがありますよ、とお伝えしていきます。全部お伝えした上で、最後に
「どれにしますか」と聞きます。——金額の話をもう少しすると、
30万円では、冠は出しません。
イベント名に企業名が乗ると、イベントそのものの性格が変わるので。
冠を出すなら、60万円。 そう決めました。
章:7. 切り出し方
金額をどう切り出すか。
これは、技術はいりません。
さっき、イベントのことを全部お伝えしたじゃないですか。
そのイベントを伝えたあとに、「これに対して共創企業という形で、
一緒に作ってくださる企業さんを探しています」こう言って、金額の案内に進んでいけばいいと思います。
順番が守られていれば、
イベントの話が終わった地点が、そのまま金額の入口になります。
章:8. 「検討します」と言われたら
ここが、次につながるかどうかの分かれ目です。
検討します、と言われた時点で、
「どれぐらいの期間を空けましょうか」って聞いてください。相手が分からなそうにしていたら、こちらから出します。
「来週の月曜日はどうですか」とか、
「どなたかに相談されますか」とか。「社長に相談します」とおっしゃったら、
「社長さんとは、いつお話しできそうですか」結構切り込んで、いつ返事がもらえるかを聞いたほうがいいです。
そして必ず、
「いついつお電話しますね」「いついつまた来ますね」次の約束を、必ず取ってきてください。
章:9. 断られたときに、必ず言うこと
断られたときに、何と言って帰るか。
これは、絶対にお願いしていることがあります。
保険の営業のときも、そうでした。お話を聞いてくださって、ありがとうございました。
今回はなし、ということだったんですけど、
私たち、この地域でこういったイベントをやっていきますので、
また何かのきっかけでご縁がありましたら、よろしくお願いします。「また来ます」というのを匂わせて、帰ってきてください。
章:9. 断られたときに、必ず言うこと
なぜそこまでするのか。
「断られました」「わかりました」で帰ってくると、
次、行きづらいんですよね。次に行くと、「なんか断ったのに、また来た」って
思われてしまうので。それが嫌なんです。つまり、自分が次に行けなくなることを防いでいます。
相手のためではなくて、自分のためです。それに、断られた理由って、分からないんですよ。
決算の前だったら大丈夫かもしれないし、
逆に決算の前だから今は難しい、ということもあるかもしれません。内容によって「この内容だったら、ちょっと違うんだよね」と
思われているかもしれないので、
「また別の案件のご案内に来ますね」みたいな。断られたのは、この企画が、このタイミングで、合わなかっただけ。
そう受け取っておけば、次が残ります。
章:10. 断った相手にも、報告する
ここは、やっている人が少ないところです。
お断りを受けても、開催しました、という報告をしてください。
お手紙でも、ポスティングでもいいです。「こんな感じでうまくいきましたよ」という報告。
断られたところにも終了報告をするっていうのは、強いと思います。
そして、また行ったときに何が起きるか。
相手からすると、「また来るって言ってたので、本当に来たんだ」
——こっちが勝手に課題を出して、
その課題をクリアした人、という風になるんですね。タイミングは、急ぎません。
私の場合は、翌年だったり、別の企画のときにお話に行きます。企画が変わったら関わっていただける可能性もありますし、
一度断っているという感覚も、向こうには残りますので。保険屋さんなんて、特にそうですよ。
「まだ保険屋さんやってるの?」って、安心していただく。
そうすると、新しい契約につながることもあります。
章:11. 紹介は、断られた相手にも聞く
ここが、この回でいちばん取りこぼしやすいところです。
断られた場合も、共創企業としての参画を断られた場合でも、
OKしていただいた場合でも、同じように聞きます。「このお話にご興味のありそうな会社さんは、
いらっしゃらないですか?」「ご紹介いただけると、大変助かります」
正直にお伝えするのが、いちばん通ります。
企業さんって、横のつながりをしっかり持たれてますので、
「うち、やるよ」というのでご紹介はいただきやすいです。断りと紹介は、別のものです。
章:12. 届かないときは
目標額に届きそうにないとき。
まず、期限を決めます。
1ヶ月かからないうち、3週間ぐらいの動きの間で
「これは難しいな」と思ったら、規模縮小を考えます。次に、下限を確認します。
最低いくらないと、このイベントが成り立たないのか。イベントに最低かかる費用って、場所代がまずありますよね。
それから音響の費用だったりとか。その「どうしても」の部分だけ集められるように、
まずは金額設定を見直します。そうすると規模は小さくなりますが、開催はできる。
赤字にはならない。 そこは大事にしていったほうがいいです。そして、提案そのものを変えます。
イベント全体の共創は断られた。でも、終わりではありません。
コンテンツによって、ターゲットを絞っていく。美容系のお店なら、
「体験で御社に顔を出す方を3名ほど送り込めそうですが、
一緒にこのイベントを作っていただけないですか?」ダンス教室なら、
「発表の場としても使っていただけますし、
体験として子どもたちを何人か送り込みますので、いかがですか?」相手を変えるのではなく、その相手に刺さる提案に変える。
ちょっと付加価値をつけて、取りに行く。
今日のまとめです。
ひとつ。提案書は日程と場所が決まってから。金額はいちばん最後。
ふたつ。順番は、思い → 仲間 → ビジョン → 日時 → 内容 → 共創の提案 → 金額。
みっつ。「協賛」ではなく「共創」。 制度として書くときだけ協賛。
よっつ。金額は階段にして、最後に「どれにしますか」。
いつつ。「検討します」にはいつ返事をもらうかまで決めて帰る。
むっつ。断られたら「また来ますね」。 次に行けなくなるのを防ぐため。
ななつ。断った会社にも、終わった報告をする。
やっつ。紹介は、断られた相手にも聞く。
最後に、宿題です。
帰り際のセリフを、紙に書いて持っていってください。
お話を聞いてくださって、ありがとうございました。
今回はなし、ということだったんですけど、
私たち、この地域でこういったイベントをやっていきますので、
また何かのきっかけでご縁がありましたら、よろしくお願いします。そして、帰る前に必ずこれを聞いてください。
このお話にご興味のありそうな会社さんは、いらっしゃらないですか?
ご紹介いただけると、大変助かります。断りと紹介は、別のものです。
それから、金額の階段を3段つくってみてください。
いちばん下の段にも、必ず返すものを置いてください。次の回は「黙ったら、待つ」。
人の営業を見ていて、いちばんよく直すところの話をします。
尺 枚1〜6で5分、枚7〜11で4分、枚12〜16で3分。合計12分前後。
前回との違い
読むときのお願い
確認したいところ